ここでは、学習を前提にした「レキシーカー」の使い方をご紹介します。
本学習ゲームは、歴史資料を使った複雑な推論や議論の流れを1人ずつ体験・習得できるように設計しています。全員が同じ体験・理解をすることで、他の歴史資料を使った推論や議論もスムーズに行えますので、ぜひ1人ずつ体験できる環境を用意して下さい。
本学習ゲームはブラウザ上でプレイできますので、ネット環境の良いところで起動して下さい。本学習ゲームは、10分〜15分程度でクリアできます。
「レキシーカー」は、左クリックでシナリオを進めつつ、画面上に出た選択ボタンを押しながら推理を競い合います。敵キャラクターの発言や歴史資料を注意深く読みながら、より妥当な推理をしてみて下さい。
また、画面右下の「LOG」ボタンを押すことで、過去の会話を確認することもできます。適宜利用して、自分の推理に役立てて下さい。
学習ゲームは、体験後に振り返ることで、より学んだことが定着します。グループを組んで、歴史資料を使う際のポイントを発言し合ったり、紙に書き出したりして、今後の学習に役立てて下さい。また、本ゲームで扱っていない歴史資料を探してみて、ゲーム中の歴史の記述が本当に妥当かを再検討することもお薦めです。
教科書や資料集やWEBなどから色々な歴史資料をグループで集め、他のテーマの歴史も書いてみましょう。おすすめのテーマをいくつか挙げておきます。
①『1920年代のアメリカ合衆国は「大衆消費社会」と呼ばれたが、「大衆」はどんな人たちだったのか?』 ポイント:歴史資料に描かれている/描かれていない人に注目して、「大衆」の具体例を挙げてみましょう。
②『19世紀半ばの開国は、日本にどのような影響を与えたのか?』 ポイント:欧米の近代的な政治・技術・文化を調べつつ、開国後の日本の様子を描いた歴史資料と照らし合わせて、影響があったと思うものを見つけてみましょう。
本学習ゲームは、主に高校の「歴史総合」における大項目A「歴史の扉」の中項目「歴史の特質と資料」の単元で活用してもらうことを想定しています。この中項目では、「資料に基づいて歴史が叙述されていることを理解すること」や「資料を取り扱う際の留意点に気付くこと」がねらいとして書かれていますが、本学習ゲームはどちらも学べるようにしています。また、大項目B「近代化と私たち」の中項目「近代化への問い」の単元でも活用できます。
本学習ゲームは1人1台のパソコン環境があり、このWEBページにアクセスできれば、特に操作方法の説明もなく、10-15分程度で体験が完了できるようにしています。歴史資料を使った推論の方法を学ぶ授業として、ぜひ1限分設けてみて下さい。
なお、本学習ゲームを使って授業をする際、指導上の留意点が2つございます。それぞれ適宜ご対応下さいませ。
①学習ゲーム後にしっかり振り返させること
学習ゲームをプレイしている最中は、歴史の推論の方法をうまく言語化できていないことが多いです。そのため、グループで歴史資料を使う際のポイントをしっかり振り返らせ、適宜言語化のサポートをしてあげて下さい。
②他のテーマや歴史資料を用意する
本学習ゲームは、特定のテーマしか扱っていないため、継続的に歴史資料を使った推論を学習するためには、先生に他のテーマや歴史資料を用意いただく必要があります。問いの立て方と集める歴史資料のコツを以下に挙げますので、参考にして下さい。
「XはYだったという説に、あなたは賛成か反対か」という問いを立てつつ、賛成/反対のそれぞれの根拠となる歴史資料を集めて提示するタイプです。ディベートが白熱してきた際は、ぜひ学習者自身で歴史資料を探す活動も追加して下さい。
「Xの時代のYはどんな風だったのか」という問いを立てつつ、当時の様子を様々な側面から探れる資料を提示し、時代像を細かく描かせるタイプです。当時の風景を描いた資料だけでなく、当時の様子を探れる日記やメディア、当時流行した歌や歌詞など、多様な形態の歴史資料を用いるのをお薦めします。